トランプ政権をめぐっては先月21日、広報責任者に投資会社創業者のスカラムッチ氏が起用され、この人事に反対したとされるスパイサー報道官が辞任しました。
さらにスカラムッチ氏から情報漏えいの疑いをかけられたプリーバス大統領首席補佐官が事実上更迭されましたが、31日にはスカラムッチ氏も事実上更迭されました。
トランプ大統領としてはケリー大統領首席補佐官の新たな起用で人心の一新を図り、混乱を収拾したい考えと見られます。
ホワイトハウスのサンダース報道官は1日の記者会見で「ケリー氏のリーダーシップのもと、トランプ大統領が掲げる政策に集中する」と述べ、新たな陣容で停滞している重要公約の実現を目指す考えを強調しました。
ただ軍出身のケリー氏が医療保険制度の見直しや税制改革などの公約の実現に向けて議会との調整を担うことを不安視する見方もあります。
また、いわゆるロシア疑惑の対応をめぐってトランプ大統領がセッションズ司法長官を批判するなど政権内の確執は解消されておらず、混乱の収拾につながるのか注目されます。
欧米など6カ国とイランは2015年、イランが核開発計画を抑制する見返りに対イラン制裁の大部分を解除することで合意した。しかしトランプ氏は昨秋の大統領選でこの合意を破棄する意向を示していた。
トランプ氏は、ティラーソン氏からのアドバイスを受け入れ、合意破棄を渋々思いとどまったと明かしている。
ティラーソン氏は国務省のブリーフィングで「イランとの核合意などの課題や、この合意の生かし方について、大統領と自分は意見が異なっている」と述べた。また米政府は合意を破棄して立ち去ることも、合意に留まってイランに合意の条件を守らせ、良き隣人として行動するよう求めることもできると述べた。
トランプ氏は先月の米紙ウォールストリート・ジャーナルのインタビューで、イランは10月に予定されている合意の履行状況に関する審査で不履行の判定を受けるだろうし、自分なら数カ月前にそのような判断を下しただろうと述べた。
しかしティラーソン氏は「この合意を使ってわれわれの政策を押し進め、イランとの関係を改善する、さまざまな代替手段がある」と述べ、イランとの合意には潜在的な利用価値があるとの考えを示した。
アメリカの議会上院は1日、トランプ大統領がFBIの長官に指名した司法省の元高官、クリストファー・レイ氏を賛成多数で承認しました。レイ氏は2001年にアメリカを襲った同時多発テロ事件のあと、ブッシュ政権で司法省の高官に就任し、犯罪部門の責任者をつとめました。
FBIの長官をめぐっては、ことし5月、トランプ陣営とロシアとの関係をめぐる捜査を指揮していたコミー前長官が、トランプ大統領に解任され、在任中にトランプ大統領から捜査中止の指示と受け止められる発言があったと証言したことから波紋が広がりました。
レイ氏はトランプ大統領から倫理に反するような要請があった場合には断固として拒否すると、議会の公聴会で答えていて、FBIへの政治の介入を排除し独立性を守れるのか注目されます。