http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2006/11/post_2ebe.html
ノーベル生理学・医学賞受賞者であるアレクシス・カレルの著書「人間 この未知なるもの」を読むと、ぼくでも危険思想を内包していると感じるし、またキリスト教を背景にした禁欲主義に臭みを感じる。
しかし、彼のありありと見ているような記述は、彼が一定レベルの精神的高みに到達していることを窺わせる。
現に、第四章創造する精神＞5宗教活動について＞禁欲主義の実践以下については、内容、言葉遣い、筆運び、気持ちの入れ方からして人から聞いただけでは書けない記述になっている。
それはプラトンが「饗宴」で示した境涯と同一のものであり、「禁欲主義の実践」の一つ前に「宗教は美につらなる」というパラグラフを置いていることとも符合している。
