『立命の書「陰隲録」を読む』
P24
根底を把握しない技術や学問は人間を不幸にするだけである、それに翻弄されて、いわゆる運命に弄ばれて終わるだけである。しかし少しく冷静に観察すれば、その奥にもっと大事な、厳粛な理法というものが、道というものがある筈である。この理法を学び、道を行じなければ、われわれは何物をも頼むことはできない。
P27
言い換えれば人間の根本を培養することである。だから専門の漢文でもやるのでない限り、訓詁の学問など問題ではない。どこまでも修己治人の学問であります。そうすればやがて時がくれば、自然、花も開く、実も成る、いかなる問題でも判断がつき、解決できるようになる。これが活学というものです。