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『無門関提唱』
P180

君子は和して同ぜず、小人は同じて和せずという。君子は別々のように見えておるけれども、きちんと物の道理を辨えている。ところが小人はいかにも仲よくしているようにして、おべんちやらを上手に使つていても、箔がはげる。君子は言葉に現わさなくても、社会の苦しみを見ればほんとうに苦しみ、人の苦しみを見てもほんとうに自分の苦しみと感ずる。和して同ぜずでないとほんとうの仕事はできない。人々具有するところの本智本能の自分の大智慧を明らかにして自分が使つていかにやならん。それこそ人の靴磨きをしておろうが何をしておろうが、ほんとうの理に明らかになつて事をやつていけば聖人じや。そういうつもりで、自分の本心、自性を返照していくことである。