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『日本人は平和憲法に耐えられるか』
P243

 かつて、といっても昭和四二(一九六七)年一一月二四日のことだが、イギリスの世界的な歴史学者アーノルド・トインビーは、伊勢神宮(内宮)を参拝したとき、次のように神宮司庁で記帳した。
「この聖地に立つとき、私はすべての宗教の根底に流れるものを感ずる」(原文は英語)
 神道に関して示唆的なこのことばの意味をどのように捉えるかは、もちろん一つの問題ではある。
 私は次のように考えたい。
 伊勢神宮に限ることはない。敗戦のあのときから約五十年。全国至るところに散在する神社や祠は、いまようやく古代からの日本人の自然のこころ、宗教心の所在を指し示そうとしていると。