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『安岡正篤 人生は難題克服に味がある』
P47

 大正以後の日本人の悪い癖で、近代の学校で抽象的思惟の学問ばかりした人ほど、弊害が大きいのであります。
 というのは、現実を離れてなにか概念的に、論理的に議論することを学問的と考え、生活にぴったりと即したような、具体的事実にもとづく思索といったようなこと、すなわち切問近思を通俗のように考えて、軽べつする悪い癖があるのです。

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