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志を立てる〜松下幸之助塾長との出会い

私が出会ったのは、まさに日本がアメリカを追い抜こうとしている1980年代でした。しかし、その時に松下さんは「日本は危機である」と私財を政経塾に投入しました。こんなに好調なのに、何を危機だと言っているのだろう。私たち塾生は塾長の言う危機の本質を幾晩も夜を徹して話しました。

「政治は愚かな者が行うものと有為な青年が言う日本は発展が止まると思うよ」

「私たちは、心を見ています。子供の心の中にも政治の矛盾が澱(おり)のように黒い影を落としていませんか?」「長いものに巻かれろ。強ければ、勝ちさえすればそれでいい。社会が協力の規範を失い、政治が馬鹿にされていれば、その国は滅ぶよ」

私の輪郭を縁取りしていくような質問が続きます。引き出しを開けてもらった者の全てを伝えられる喜びを教えてもらうような面接でした。