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リーマン・ショックは日本の金融の反転攻勢のきっかけになるか?|山崎元のマルチスコープ|ダイヤモンド・オンライン

 先ず、結論から言うと、向こう数年間の間に、日本の大手金融機関の国際金融業界に於ける相対的な地位は改善するだろうと思う。

 また、日本国内には優良な貸し出し先・案件が乏しいので、日本の金融機関は何れにせよ、海外に成長機会を求めざるを得ない。

 問題・懸念は、一にも二にも、手に入れた旧リーマンの社員を野村が適切にマネジメントできるかどうかだろう。

窮屈に締め付けると彼らは他社に移ってしまうだろう。

 加えて、些か申し上げにくいことながら、日本法人は野村證券との業務の重複も含めて、相当の人員整理が必要だろう。

 9500億円という金額は、投資として失敗しても直ちに三菱東京UFJの経営を揺るがすほどの大きさではないが、この価値を毀損したくないがために、追加出資したり、融資に応じたりする可能性がある金額だ。はっきり言うと、最大の懸念は、三菱東京UFJが、モルガン・スタンレーの実質的な資産と負債の審査がどの程度正確に出来ているのかという点であり、心配はほぼこれに尽きる。

 日本の大手金融機関は、4社何れも、今後、国際金融の世界でプレゼンスを高めていくチャンスを持っていると思うが、結局、ビジネス機会がある場所に深く「自分で」入り込まなければならないし、金融ノウハウは「自分で」理解し使いこなさなければならないだろう。