2008-10-13 ■ 法律 法律 『西郷南洲遺訓』 P9 西洋の刑法は専ら懲戒を主として苛酷を戒め、人を善良に導くに注意深し。故に囚獄中の罪人をも、如何にも緩やかにして鑒誡(かんかい)となる可き書籍を与え、事に因りては親族朋友の面会をも許すと聞けり。尤も聖人の刑を設けられしも、忠孝仁愛の心より鰥寡(かんくわ)孤独を愍(あはれ)み、人の罪に陥るを恤(うれ)ひ給ひしは深けれ共、実地手の届きたる今の西洋の如く有しにや、書籍の上には見え渡らず、実に文明ぢやと感ずる也。