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権丈節二題

格差問題、貧困問題を解決するためには、所得の再分配が必要なわけで、その再分配政策が大規模に動きはじめるのは、高所得者から低所得者に所得を再分配するその事実が、成長や雇用の確保を保障するということを経済理論が説明することに成功したときからだ。現状の所得分配に対する固執はいつでもどこでもとてもおそろしく強く、格差は問題だ、貧困問題は深刻だと言うくらいで、所得分配のあり方が大きく動くほど、世の中は甘くないんだよ。

社会保障社会保障として意味があるだけではなく、経済成長と雇用拡大に役立つわけで、このあたりをEUでは「生産要素としての社会保障」といったりします。

社会保障素人の経済学者と社会保障研究者の相違は、ミーンズテストとスティグマという言葉、および生活保護社会保険の歴史的経緯を知っているかどうかにあるんですね。

「地方を活性化する」とか、「中産階級を生む」とかというのは、意図的にやらないとできっこないんです。

富の再分配 - Wikipedia

富の再分配・所得再分配は、貧富の差を緩和させ、階層の固定化とそれに伴う社会の硬直化を阻止して、社会的な公平と活力をもたらすための経済政策の一つである。富の再分配・所得再分配が指し示す範囲はかなり広く、富裕層・貧困層間の所得移転から先進国・発展途上国間の所得移転までが含まれる。

富の再分配・所得再分配は、資源配分の公平性を確保し、社会に流動性をもたらす効果がある。低所得者にも階層の上昇の機会と公平性をもたらす一手段でもあり、現代民主主義国家に必要不可欠な要素となっている。

経済学では、富の再分配は、パイの切り方に喩えられることがしばしばである。効用の観点から見た場合、パイの切り方を変えることで、パイを食べることで得られる主観的な満足感の総計が変化することが問題とされる。これに対して効率性の観点から見た場合、パイの切り方によって、パイの客観的な大きさ自体が変化することが問題とされる。

経済全体のアウトプットの低下がないかぎり、所得再配分は、経済全体の効用の総計を増大させるものとして、限界効用逓減の法則に基づく功利主義の見地からも肯定される。

一方、平等性の観点だけではなく生産設備・在庫投資過剰/消費過少状態のときの消費刺激策としても「所得再分配」は有効である。即ち高額所得者は所得の大部分を貯蓄に回すが、生産設備過剰・投資収益率低下で資金需要が低下している局面においては貯蓄が投資につながらず過剰貯蓄状態に陥る。そこで高額所得者に課税して低所得者に分配すると、より高い消費性向を有する低所得者は所得のほとんどを消費に回すので有効需要が増え在庫が減少し、設備稼働率が向上し経済が拡大して投資収益性も向上するのである。

他方、行き過ぎた再分配は、生活の不安定性を解消する反面では労働意欲を阻害し、経済全体としてのアウトプットの低下を招くと批判されることもある(インセンティブ・平等のトレードオフ)。これは歴史的にはレーガノミックスなどに見られる考え方で、経済全体としてのアウトプットの増加をはかるためには、所得再分配を抑制することが有効であるとする。具体的には、より高い貯蓄性向を有する富裕層の減税による貯蓄の増加と労働意欲の向上、合わせて企業減税による投資の増大によって経済を拡大させるというものである。