作家の水村美苗氏の『日本語が亡びるとき』が話題になっている。グローバルな英語の世紀の中で、世界中の言語の多くが死滅するといわれているが、この本はただ国語滅亡論を煽(あお)っているのではない。
むしろ、日本の国語教育のやり直しの必要性を提言しており、聴くべきものがある。
「気韻やリズムを朧気(おぼろげ)ながらでも身体全体で感じ取らせる」
国語は頭で覚えるのではなく、身体に染み込ませるという自明の事が忘れられて久しい。
つまり、「祇園精舎の鐘の声」が心眼に映じ心耳に響くような読み方をするということ。
ところが、古典を読まなくなったところに養老‐内田‐茂木の文章が入り込んでいて、その上さらに、もっちーが「国語滅亡論を煽(あお)っている」。
小林秀雄賞|新潮社