ところが、大統領就任以来今日にいたるまでプーチン氏が専念してきたのは、“レント・シーキング・システム”の形成と維持に他ならない。原油や天然ガスの国際価格の値上がりをいいことにして、そこから得られるレント(過剰利益)を自身および側近が独り占めにしようとするシステムである。プーチン氏は同システムの総支配人、メドベージェフ氏はその番頭格とみなしてよい。
このようなシステムの構築・運営にやっきとなるのあまり、彼らは同システムから得られた資源レントをロシア経済の多元化、とりわけ国内加工製造業の振興のために用いることを怠った。今やそのツケが一気にまわってこようとしているのだ。