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日銀が98年後半の議事録公表、速水総裁が長銀破たん懸念に強い危機感

 長銀は同年6月に経営危機が表面化し、10月に一時国有化された。この年は12月に同じく経営危機に陥っていた日本債券信用銀行も一時国有化されたほか、海外でも米ヘッジファンドロングターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)が事実上破たんするなど、金融システム不安が広がった時期で、実体経済もデフレ・スパイラルに陥る瀬戸際にあった。

 速水総裁はこの日の会合で「6月ごろから長銀問題が出始めて、マネーセンターバンクというか内外に大きく網を張って仕事をしている大銀行19行ですら、デフォルトを起こしかねないという、考えられもしなかったことが現実化しつつある」と懸念を表明。その上で「資金量20兆円もの大銀行がつぶれたケースは過去にあまりないわけであり、破たんに対していかなる手を打つのか、何が起こるのかすら前例がないだけに見通しも非常に立て難い」と指摘。「つぶれるような事態になれば、その連鎖反応は相当大きいと考えざるを得ない。他行への影響あるいは市場への影響、取引先にとどまらないドミノ現象のような状態が起きることは間違いない」と危機感をあらわにした。