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かんぽの宿 従業員の雇用は守れるか

 譲渡の許認可権を持つ総務相は、かんぽの宿日田の売却額が簿価より安いことに不満を隠さなかった。以前にも、全国70施設の一括売却予定額の約109億円は「納得いかない」と述べ、もっと高く売れて当然との考えを示していた。

 しかし、不動産関係者によると、譲渡価格はどれだけ金をかけたかではなく、どれだけ金を稼ぎ出せるかが算定根拠になる。買い手はそれに基づきコストとなる購入額をはじき出すため、仮に新品でも「1億円かけたから1億円で買え」は通用しないというのだ。

 このため、売り手は最も高い値段を付けた買い手を選ぶことになる。27社が入札に参加したかんぽの宿は、オリックスが提示した値段が最高額だった。全従業員の雇用の維持が条件で、競合した企業を数10億円上回ったという。

 問題があるなら、入札の段階で排除すべきだった。しかし、法的にも商習慣上も問題ないのだから排除できるはずがない。オリックスにとっては「後出しじゃんけん」で負かされた思いだろう。

総務相は買い手がつかない施設は廃止すべきだとの意向だが、大半が売れ残って、多くの従業員が職場を失う事態は訪れないと言えるのだろうか。