2009-05-29 ■ 本 本 【論説委員「私の1冊」】田中規雄 登場人物がいい。とりわけ、窮地の源太郎を支える大工の娘、お順こそ池波の理想の女性像ではないか。二人が初めて結ばれた直後の、お順の変貌(へんぼう)ぶりがおかしい。 一人の青年の成長物語としては、藤沢周平の「蝉(せみ)しぐれ」に匹敵する作品だ。 男振 (新潮文庫)作者: 池波正太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1978/11/29メディア: 文庫 クリック: 5回この商品を含むブログ (13件) を見る