森本氏の言は依然として20世紀の冷戦時代の日本の防衛スタンスのままである。
米国は、さっぱり機能しないG8やG7を嫌気し、21世紀のパートナーに中国を選びつつある。
それは今や共同体化したEUが米国と同様の経済力を有するようになり、実質の米国のプレゼンス自体が低下しているからである。
日本や韓国が同盟国としての価値があったのは対ソ連に拮抗する戦略にあったと見ている。
本質的に日本がしなければならないことは「自主権の確立」であり、いつまでも冷戦下でのパラドックスである「日米同盟はわが国の生存・繁栄の基礎」を九官鳥の如く繰り返すことではないのだ。
日本の経済成長が横ばいになったのは、丁度、ソ連が崩壊した時期と重なる。そこから中国が伸びて来る。
日本は21世紀のG2の時代に新たに備えながら自主権を確保し、自ら籠の鳥を脱する必要がある。自らだ。
