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『「安岡正篤先生」随行録』
P100

 金鶏学院におけるこの日の朝参は、昨日に続いて左伝荘公三十二年より、
「吾れ之を聞く、国の将に興らんとするや民に聴く、将に亡びんとするや神に聴く。神は聡明正直にして壱なるものなり。人に依って行う。虢(かく)凉徳多し(虢国は酷薄な政治を続けて来た)それ何の土(くに)か之を能く得ん」
 これを一同が素読した後、先生は言葉を強めて、
「神は人次第である。人がその存すべき道を尽くさずして、かえって神助を求めて、自他を瞞着しようとするは、自殺的行為である。最も神を知らざる似而非敬神者流が、神を弄んで日本を敗亡に陥れた。神意の畏るべきを深省せねばならない」
 と説かれたのであった。