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【論説委員「私の1冊」】田村秀男 深沢七郎「楢山節考」

 新聞記者駆け出しは、ある地方だった。公害問題が黒々と広がっている。住民は善、企業は悪、そう報じるのが当たり前だった。取材を進めると、陰で企業と裏取引して自分の懐を肥やす。そんな「住民代表」が周りから信頼され地方政治を動かしているではないか。正義には必ず欺瞞(ぎまん)がある。汚いだけ、あるいは、逆にきれいだけの社会は存在しない。リアリズムに徹しない報道は虚構の罠(わな)にはまる。

 もともと特定の原理や制度に頼り切り、無条件に信奉すること自体が間違っているのだ。現実をあるがままにとらえ、切り分ける。すると出口は必ず見つかるはずだ。

上の2つの引用の間の部分は「正欲」ならいいわけです。
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20071226#1198736927