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「中国のサマーズ」存在感高まる

 中国の温家宝首相の命を受けた経済政策当局者が1年前のリーマン・ブラザーズ・ホールディングス経営破(は)綻(たん)の2日後に渡米、金融危機における中国側の対応策をまとめるために米ハーバード大学の識者らと会談した。


 この人物は、ハーバード大学ケネディ行政大学院修了の経歴を持つ中央財経領導小組の劉鶴弁公室副主任(57)。今年3月30日、オバマ政権がゼネラル・モーターズ(GM)の当時の最高経営責任者(CEO)だったワゴナー氏を更迭したその日に、ガイトナー米財務長官とサマーズ国家経済会議(NEC)委員長は劉氏のために個々に時間を割いた。

 サーチ教授は「劉氏は非常に頭脳明晰(めいせき)で論理的思考の持ち主だ。温首相だけではなく、胡錦涛主席にも届く報告書作成の鍵を握る人物だ」と述べた。

昨年の危機に際しての中国側の反応は素早かった。政府は11月9日、4兆元(約53兆円)規模の景気刺激策を発表、この刺激策が最悪期を乗り切る助けとなった。

劉氏は人目を避け、共産党組織内の閉ざされた世界の中で経済政策を推し進めている。知人らによれば、物静かで謙虚というのが人物評だ。

 劉氏は2003年以降、中国共産党中央委員会政治局に設置された政府の経済財政諮問機関「中央財経領導小組」の弁公室副主任に就いている。中国研究の専門家や非政府系のサイトによると、この諮問機関のメンバーには温家宝首相、王岐山副首相、中国人民銀行中央銀行)の周小川総裁らが名を連ねる。

 ブルッキングス研究所のリー研究員は「劉氏は実用主義に根ざした経済哲学の持ち主だ。市場主義経済と旧来型の計画経済という、完全な失策である2つの極論にとらわれることはないだろう」と指摘する。

ワイルダー氏は「劉氏は(米中)2国間のポーカーで相当手強いプレーヤーになるだろう。専門的問題を熟知しており、議論に埋没しない上、米国を深く理解している」と語った。