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林 志行 民主党政権下の地域戦略〜人材の回遊とアジアマーケティング

 方法は2つある。1つは、霞ヶ関対策として財務省と組みながら予算編成をコントロールし、徹底的に無駄な(特に隠れ肥満の)贅肉を絞ることである。もう1つは、新たな産業(筋肉)をどう見出すかである。地方と医療福祉、環境などでの市場創造が求められる。

 一方、自民党も、政権を取り戻す資格があることを示すエビデンス(成果の見える化)が不可欠だ。オセロゲームに喩えるならば、既に四隅を押さえられ、かなりの持ち石をひっくり返されている。そこでは、単に古き良き時代を懐かしむのではなく、今までにない業種業態、さらには地方の中小企業向けへの施策を増やす必要がある。

 今回提案する内容をつないでいくと、「グローカル」という概念に行き着く。グローカルは、「グローバル+ローカル」の造語だ。今の地域活性化の議論は、国内に目線が集中しすぎており、地方の特性を活かしながら、国際的に連携するための施策に欠けている。

 成功している多国籍企業のケースでは、このグローカルを1つの戦略に掲げている企業が少なくない。例えば、自前の製造工場を持たずに、海外工場に委託する場合でも、それぞれの国民性や従業員の働き方により、発注量や作業内容を変えたりしている。ある食品企業のケースでは、各国で消費する飲料(例えばコーヒーなど)は、それぞれの文化(過去の植民地支配で使っていた豆など)を意識し、味を変えている。

 ローカルに徹するのだが、そのローカルが一芸に秀でることで、世界的に通用する「美しき地方」が登場する。ガラパゴスの処方箋がそこにある。