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【コラム】ゴールドマンは「神の使い」か

 米ゴールドマン・サックスのブランクフェイン最高経営責任者(CEO)は英紙サンデー・タイムズの記者に、自分は「神の仕事をしている」1人のバンカーにすぎないと語った。

金融ウェブサイトのネーキッド・キャピタリズムはこの発言に対し「素晴らしい!では皆さんに無報酬で働いてもらいましょう」と応じた。

 ロンドンの大きな教会ではこのところ、金融界の大物たちが招かれて説教し、しきりと神を引き合いに出して世界の銀行システムと、それが生んだとされる不平等を擁護した。

 20日にはゴールドマン・サックス・インターナショナルの顧問、ブライアン・グリフィス氏がセントポール寺院で自己愛を説いた。

同氏は「自分を愛するのと同じように他者を愛せというイエスの教えは、自己の利益を肯定している。より大きな繁栄を達成するため、またすべての人に機会を与えるため、不平等を受け入れなければならない」と論じた。

損失を社会のものに、富を自分のものにした銀行業界への民衆の怒りが神学論争へと発展するのは不可避だったのかもしれない。

 クレジット・デフォルト・スワップCDS)やダークプールなど、ウォール街の一部の発明品はあまりにも複雑で、銀行経営者も完全には理解できない。ボーナスについて宗教的に説明する方がずっと簡単だ。そうすれば一般の人々にも、少なくとも彼らが何を言っているのかが分かる。

 しかしブランクフェイン氏は、この「神の仕事」発言を貫こうとはしなかった。ひどく目立った記事の見出しに巻き起こった批判の前に、同氏は引き下がった。