「フテンマという名前を口に出せるアメリカ人は知日派だけでしょう。アメリカのTVコメンテーターでさえ『沖縄の米軍基地』と表現するのが一般的です。普通のアメリカ人は興味を示していません。日本にきて、あまりの過大報道に驚いています」
普天間問題にかぎらず、日米間には記事のあつかい方に違いがあることが多い。敢えて言わせていただくと、アメリカにとって普天間は瑣末な問題でしかない。
普天間問題の悲観報道の起源をたどると、アメリカの知日派、特にブッシュ政権時代に自民党とつながりが深かった共和党の元高官たちが発信源であるように思える。
今月4日、ジョン・ルース駐日大使が初めて公の席で講演を行い、招待を受けたので出向いた。公式な見解とはいえ、内容は日本メディアの報道姿勢とまったく逆だった。大使が強調したのは、あらゆる分野で親密に結びついた日米関係はいまでも東アジアの礎であり、これからも発展させていきたいという、バラ色といっても過言ではない肯定論だった。普天間で揺れるいまの両国間にあっては拍子抜けするほどの内容である。