43年間拠点としてきた国会近くの「砂防会館」の事務所を移すにあたって記者団と懇談し、「さらに勉強を加えて転換期の日本に挑戦する」と健在ぶりを示した。
「あの程度の時間のずれは原則の枠内」と擁護。
首相の偽装献金事件では「今まで自己資金ですべて動いてきたからルーズだったのだろう」。
米軍普天間飛行場移設問題でも「他に現実的に選択する場所は見あたらない。沖縄の皆さんにも政府の方針を不動のものとして、はっきり伝えることが大事だった」と苦言を呈した。
かつて多くの国会議員や派閥が事務所を構えた砂防会館の思い出を尋ねられると、「(元首相の)田中角栄君の運命。同期生でこのビルで一緒だったこともある。協力したこともあれば相反したこともあるが、際立った政治家だった」と振り返り、「政治生涯は恩とか仇(あだ)とか、いろいろ複雑に込み合っている。それを達観することが政治家の修行だと悟った」と語った。
中曽根氏、大いに語る「鳩山政権はまだ準備段階」「角さんとは運命」 政治活動になお意欲
鳩山内閣は、まだ成果は挙げていないが、その準備時代だ。ただ、政府と党の緊密な連絡、政策の国民への明示を活発化させる必要がある。国際関係は大きく変動しつつあるし、経済は停滞している。日本の発言をアジアや世界に向かって大きく展開する時期だ。
政権は、時間的経過とともに批判が称賛よりも多く出る。鳩山内閣の支持率が50%台に落ちるのは当然の成り行きだ。
元気の秘(ひ)訣(けつ)は心配しないこと。フランス語で「sans souci(サン スーシ)」。言い換えれば「何とかなるさ」だ。