小沢捜査を斬る〜「弁護士が同席しない日本の取調べは信用できない」
元ロサンゼルス・タイムス東京支局長で現在はフリーのジャーナリスト、サム・ジェームソン氏(73=写真)
戦争の時や昭和30年代は、日本には全く民主主義がなかった。人が逮捕されても国民に知らされない。そんな時代があった国なのに、検察の言い分を全部信用するなんて、とうてい理解できません。
これは大問題ですし、日米関係にも影響しています。個人的な意見ですが、最近も、沖縄で米兵のひき逃げ事件がありました。米軍側が「起訴までは身柄を渡せない」というのは、取調べに弁護士が同席しないなら、容疑者の段階では引き渡せないということです。つまり、日本の取調べのやり方は信用できないということだ。だから「地位協定」は改定できないのです。
小沢さんとは、細川政権の時に、外国人記者のグループで毎月懇談していました。非常に論理的で、どんな質問にも答え尽くそうとしていたのが印象的でした。日本のプレスは「いつ説明責任を果たすのか」と、表面的なことばかり何度も繰り返し質問するので、我慢強くない小沢さんが怒るシーンが(記者会見などで)撮影されていますが、本来、理屈に合う質問をする人には理屈に合う返事をする人です。
(マリナーズの)イチローも同じじゃないですか。シアトルに渡った最初の頃、日本の記者は「けさ、何を食べましたか」といった質問をした。イチローは職人的な野球人なので練習したいし、そんな邪魔な質問には耐えられない。小沢さんも同じタイプですよ。
小沢さんは自分なりの政策や考え方を持っている。その意味では、日本では新しい政治家です。昔の派閥の領袖はムードと触れ合いだけだった。日本人は強い指導者が嫌いなんです。矛盾しています。