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【朝海ひかる】雄弁な表現者 あいまいな“物の思い”を踊りで

 「『雨柳堂〜』という漫画には、読者に想像させる余白があるんです。人間同士の心のやり取りだけでなく、間に物が入ったり、国も時空も越えたり…。三次元、四次元までいくと、言葉だけでは逆に説明的になり過ぎる。音楽と身体の動きという最低限のものしかないダンスなら、かえってその世界観を表現しやすいのではないか。想像力をふくらませて見ていただけると楽しい作品なんじゃないかと思います」

 そんな女の子が踊りの世界にのめり込んだきっかけは、たまたまテレビで見たバレエの美しさに感激した祖母に勧められたこと。5歳のときだった。

 「それからはバレエ中心の生活。小学校3年からは東京の牧阿佐美バレエ団と関係のある仙台の橘バレエ学校に通いました。東京から有名なバレリーナの方が教えにきてくださって、本物に触れるうちにもっと踊ることが好きになって、もっと追求したくなった。熱で学校は休んでもレッスンは休みませんでした」

 週3回のバレエのレッスンに出られるよう、高校で必修の部活は週3回休める音楽部に入った。偶然にも宮城県代表として全国大会に出るほどの女声コーラスの強豪だった。「そこでコーラスの楽しさや歌の楽しさを知りました。いまにして思えば、人生ゲームみたいに、宝塚に進むために全部がうまく合わされていた感じですよね