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“団塊世代”の名付け親 堺屋太一が薦める「歴史小説」(2)

■小説十八史略 全12巻 陳 舜臣著、毎日新聞社
漢書』や『三国志』など中国の正史を網羅する『十八史略』を、歴史小説の大家が小説化。駆使される著者独自の知識や文学観に、歴史の奥深くまで誘われること間違いなし。


薔薇の名前 上・下 ウンベルト・エーコ著、河島英昭訳、東京創元社
舞台は中世のイタリア。ある僧院で起こった連続殺人事件の謎を一人の修道士が追う。教科書には載らない中世ヨーロッパの知られざる世界を堪能。


宮本武蔵 全8巻 吉川英治著、講談社
言わずと知れた剣豪小説の不朽の名作。史実の空白を埋める想像力に引き込まれると同時に、その名文と名調子に浸る。洗練された読書の歓びを感じさせてくれる古典。


坂の上の雲 全6巻 司馬遼太郎著、文藝春秋
明治という時代をいかに描くか。国民的作家渾身の代表作。1980年代、高度成長期以後の日本人の心をつかんだ本書には、迷える時代にこそ読むべきエッセンスが詰まっている。


■俯き加減の男の肖像 上・下 堺屋太一著、新潮社
全体に響き渡る石田心学は、倹約と勤勉を両立させた世界でも稀有な哲学。ときは元禄バブル崩壊後の暗い時代。「赤穂の不義士」と呼ばれた元武士が、商人として生きる中で見たものとは。


三国志演義 上・下 羅貫中著、立間祥介訳、平凡社
レッドクリフ』でブーム再燃。羅貫中のオリジナルを直訳したすべての三国志作品の原点である。


■世界を創った男 チンギス・ハン 全4巻 堺屋太一著、日本経済新聞出版社
世界最初のペーパーマネー帝国。モンゴル帝国の歴史を知らずして、世界史を語ることはできない。


■超巨人 明の太祖朱元璋 堺屋太一著、講談社
明の皇帝・朱元璋の生涯。苦難に次ぐ苦難を乗り越える立志伝的1冊。


風と共に去りぬ 全5巻 マーガレット・ミッチェル著、大久保康雄・竹内道之助訳、新潮文庫
アメリカ南部の視点から見た南北戦争。鮮やかな時代感覚の描写が白眉。


日出処の天子 全7巻 山岸凉子著、白泉社文庫
およそ誰も考えつかない聖徳太子像を描き、魅力的な世界観を醸し出した名作。日本史の新たな見方を拓く。


■背教者ユリアヌス 上・中・下 辻 邦生著、中公文庫
キリスト教化するローマ帝国ギリシャ・ローマの神々を呼び戻そうとして戦火に倒れた皇帝の話。


■バト汗西へ行く V. ヤン著、樹下 節訳、平凡社
バト汗はチンギス・ハンの孫。モンゴル時代の意外な西欧の姿が興味深い。征服者シリーズ第2弾となった作品。


平家物語 全4巻 岩波文庫
祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり……」。敗者の歴史、滅亡の史観から始まる古典中の古典。


■クォヴァディス 上・中・下 シェンキェヴィチ著、河野与一訳、岩波文庫
帝政ローマ、皇帝ネロの時代を舞台に、キリスト教徒の娘とローマ人の恋愛を活写。著者はノーベル文学賞受賞作家。