内閣府が官房審議官に水野和夫氏起用
〔MOFウオッチャー〕内閣府官房審議官にエコノミストの水野氏、「民間の知恵」活用
水野氏はマクロ経済が専門のエコノミストとして知られる。最近では、菅直人首相が副総理兼国家戦略・経済財政担当相当時に主催していた「マーケット・アイ・ミーティング」で、日本の期待成長率を上げるには産業構造を「脱化石燃料」に転換する必要があると力説し、菅副総理(当時)も重厚長大産業中心だと景気の先行きが厳しいとし、水野氏の主張に「分かりやすい」と賛同している。
2009年に出版された『100年デフレ』(日本経済新聞社)は、物価下落は日本から先進国全体へ広がり、長期デフレ時代が到来するとして話題になった。2009年11月の政府のデフレ宣言に対し、経済誌で、できないことを宣言しても期待外れに終わり、政府や日銀に対する国民の信頼を落とすことになりかねないと警鐘を鳴らすとともに、量的緩和政策が資源価格を押し上げ、日本の所得を減らしてしまうと問題提起。今のデフレを受け入れた上で対策をとるしかないとし、処方せんのひとつとして脱化石燃料政策の推進を提言している。