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“輸出が大好きな日本人”が自覚できない欠落|辻広雅文 プリズム+one|ダイヤモンド・オンライン

 ひたすら輸出で稼ぎ、経常収支の黒字拡大を促進する施策を、重商主義的政策と呼ぶ。「重商主義」――かって高校で習った世界史を覚えておいでだろうか。産業革命以前の15世紀半ばから18世紀にかけて、ヨーロッパの絶対主義王政国家の産業政策である。要は、輸出を拡大し、輸入は制限することで国内産業を保護育成し、貨幣(経常黒字)蓄積をはかる政策で、「貿易差額主義」とも呼ばれた。


 富とは貨幣であり、その蓄積が国力の増大につながる――外貨を稼ぎまくった私たちに、実に馴染みのよい政策ではなかろうか。実際、現在の景気回復も重商主義的経済成長と言えなくもなく、GDPに対して3〜4%の経常収支黒字が見込まれている。

 だが、いよいよ私たちは、重商主義的な成長の発想から脱皮しなければならない時期にきたようだ。世界に例を見ない少子高齢化が加速しているからだ。そして、ここでとりわけ重要なのは、輸入の拡大である。

 小峰・法政教授は、言う。


「高齢者が増えるのだから、医療・介護分野のサービスを拡充するためにより多くの経済資源を振り向けなければならない。そうしなければ、多くの人が悲惨な老後を迎える。ところが、医療・介護といった福祉分野は生産性が低い。従って、福祉分野以外の生産性を極力高めていかなければ、日本経済全体が沈んでしまう」


「もはや、福祉分野以外の非効率な産業に、経済資源をまわす余裕はない。生産性が低く、比較優位にはない不得意な産業分野からは、国内産業は撤退する。代替策として、輸入を拡大する。そして、それら非効率分野に張り付いていた経済資源を、生産性が高く、比較優位にある日本の得意分野に集中して、輸出を拡大する」


 つまり、輸出も輸入も伸ばし、国際分業のメリットを全面的に享受することで、日本経済全体の効率化、生産性向上を図る政策への転換である。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20100726#1280131552


http://d.hatena.ne.jp/d1021/20100522#1274535927
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20100419#1271687725
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20100731#1280572640


http://d.hatena.ne.jp/d1021/20100730#1280469344