要するに、日本政府は、過去の発言を繰り返しただけで、追加的に何も謝っていない。外交上のレトリック(修辞)はともかく、本質的なところで、追加的謝罪はまったくしていない。筆者はこのことを肯定的に評価する。
政治的・軍事的背景の下、当時の韓国の人々は、その意に反して行われた植民地支配によって
という評価については、異論がある。大韓帝国にも日韓併合を望んだ政治エリートがいたからだ。もっとも、植民地をもった日本帝国の後継国家である日本国には、宗主国としての責任がある。それだから、表現について、旧宗主国の度量として、現時点での韓国側の立場に配慮するのは当然と思う。
恐らく9月に防衛白書は閣議で了承されることになるが、韓国側は、日韓併合100年に関する菅首相談話に示された謝罪と反省は見せかけだったと猛反発するであろう。その時に、竹島問題で菅政権が毅然と「竹島は日本固有の領土である」というわが国としての原理原則を主張することが国益にかなう。