そこに求めるものは技の鍛錬ではなく、心の鍛錬。真夏に汗を流し、体とともに心も養うことの大切さがうかがえる。
「剣術を通して鍛錬しているのは技ではなく心。継続は力なりで、逆境のときも心に余裕が持てるようになった」
相手の動きにどう応じるか。ここでは竹刀で打つことは真剣で切ることと同義である。剣術を通して、理性や忍耐力、判断力がついたという人もいる。
「活人剣(かつじんけん)」の理念を引き合いに、「乱世のころは殺法としての剣術だが、平和な時代においては剣を通じて人をどう生かすかに主眼が置かれる。それは、家族を守るためであったり、他人をいたわる気持ちであったり」と指摘。そのうえで、「形(かた)はあくまで入り口であり、どんな状況にも対応できる柔軟な心を養うことが大切」と強調する。