【佐藤優の眼光紙背】村木厚子元厚生労働省局長に対する無罪判決
今回、村木氏に無罪が言い渡されたが故に、厚労省官僚による偽造文書作成という犯罪の真相究明がおろそかになってはならない。
村木氏の弁護を担当した弘中惇一郎弁護士は、鈴木宗男氏の弁護人でもある。弘中氏は、筆者に「村木氏の事件も、鈴木氏の事件も、検察のストーリーによって作られた冤罪だ」とはっきり述べた。最高裁判所の司法官僚は実に頭がいい。村木氏に対する無罪判決の後で、鈴木氏の上告を最高裁判所が棄却したら、世論はどう反応したであろうか? それをきちんと読んで、9月7日に上告棄却を決定したのだ。