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『新訂 日暮硯』

木工の行動の規範となったのは、『向後虚言を一切申さざる合点に侯』(本書30頁)つまり、「今後、嘘を一切言わない」という言葉である。俸禄未払いに対する抗議のために城に押しかけた多くの藩士や、圧政に苦しみ遂に一揆を起こした領民達の人心は、虚言続きの藩からすっかり離反していた。彼は、顕在化している現象の、潜在的な本質課題をおさえるために、人の「心」に楔を打ち込んだのである。
「嘘をつかない」という宣言は、「言ったことは必ず守る」という意味合いで領内に伝播していき、疑心暗鬼だった人々に安心感と信頼感を与えていった。木工が「有言実行型のリーダー」と賞される所以である。

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