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【平野貞夫の国づくり人づくり政治講座】第87号 2010年10月29日発行

昔のことは別にして、日本が戦争に負けて65年になるが、いま現在ほどわが国
の指導的立場の人たちの人間性や人格が、劣化している時代はない。


有権者から選ばれた政治家は勿論のこと、難しい国家試験にパスして、行政や司
法などで活躍しているエリートたちほど、人格的に問題が多い。さらに巨大なメ
ディアの指導層にもその傾向が強い。これは一般論としてのことであり、たまに
優れた人格の人もいるが、出世するに従って変質する傾向がある。このままの情
況が続くと、日本は確実に滅びていくだろう。

そしてこれに合格するためには、法律学政治学・経済学・社会学などの本質
学ぶより、専門的で技術的な勉強を強いられるのだ。哲学・歴史学など人間のあ
り方について勉強することは、専門的で技術的なテストの邪魔になるのである。
従って困難な国家試験に合格する多くの人たちは、人間のあり方や社会のあり方
について健全な常識を学ぶことなく、社会のエリートとなっていくのである。い
や、そういう世の中の根本について考える感性を持っている人間は、エリート層
に参加できない仕組みになっているのだ。

それでは国家試験などの内容を改善して、人間性とか人格をテストできるものに
すればよいのではないか、という話となる。これが大変なことで、試験官となる
人や問題をつくる人たちが、そのことを理解できなくなっているのである。日本
人の70歳台までが、戦後の民主主義の内容を誤って理解していることが原因で
ある。それは、本音と建前を意図的に利用して、自分に都合の良い理屈を正当化
する人間ばかりになったということだ。