「医は仁術なり。仁愛の心を本とし、人を救うを以て志とすべし。わが身の利養(得)を専(もっぱら)に志すべからず」(貝原益軒(えきけん)『養生訓(ようじょうくん)』)
「借金して浪費することを、『大らかで見習うべし』とほめたたえ、倹約で質素な人をつかまえて『けちだ』と強く非難する。今の世はこんな風にそまってしまった」(『家道訓』)
「聖人の教えは平易簡明で、こじつけや煩雑さの病(へい)はない。後世の学問はややもすれば、細部をうがちすぎて、渾然(こんぜん)一体となった平明の味わいがない。簡明を好み、煩雑を悪(にく)むのは天下の人情である」
「誠なるものは心の主にして、人の道なり。仁義礼智も誠なくては虚偽のみ」