齋藤孝氏に聞く! 編集力が求められる時代の電子書籍の可能性とは…|DOL特別レポート|ダイヤモンド・オンライン
スポーツと同じだと思います。テニスでもサッカーでも、上手な人と一緒にプレーすれば上達が早い。読み巧者の読解を参照して、「この人はこういう文章に反応するのか」などと考えることで本人も鍛えられます。
特に古典の場合は、読み巧者の解釈が加わった本が多く出版されています。たとえば、渋沢栄一が『論語』をどう読んだのかを知ることで、古典をよりリアルに感じられるのではないでしょうか。
今、情報は氾濫しており、誰もが多様な情報ソースにアクセスできます。そんななかで、個人は差異を生み出すことが求められています。そのためには、編集のプロセスが欠かせないように思います。多様な情報を一つの文脈のなかに位置づける力、一見まったく関係のないことを一つの切り口でつなげてしまう力。そんな能力の重要性は、今後さらに高まっていくのではないでしょうか。