「今回の地震のような大規模な自然災害のあとは、金融機関などの決済の安定性をしっかり確保すること、そのために市場へ流動性をしっかり供給することが非常に大事だ。きょうは朝いちばんから大量の資金を供給する予定だ」
日銀 過去最大の7兆円を供給 NHKニュース
日銀、さらに3兆円資金供給 総額10兆円に
日銀、即日オペ5兆円を追加供給 資金総額計15兆円に
結果的に、金融機関が当座に必要だとみている金額を上回る潤沢な資金供給をする姿勢を日銀が示したことになる。
−−東日本大震災が経済に与える影響は
「東北地方では港湾や道路などの社会インフラに大きな被害があったほか、首都圏でも大規模な工場が被災し、被害が地理的にも広範囲に及んでいる。物流面でもしばらく混乱が続くと予想されるほか、首都圏を含め、電力の安定供給への懸念も高まっている。当面、生産活動の低下が見込まれ、企業や家計のマインドも懸念される」
−−基金の増額という手段を選んだ背景は
「最も意識したのは不安心理の高まり、リスク回避姿勢の強まりが実体経済に及ぼすことを未然に防ぐことだ。この目的を考えると、買い入れの対象はリスク性資産が中心であることが適切だ。前回と今回の買い入れは5兆円。しかし国債とリスク性資産の割合は、前回は3.5兆円と1.5兆円、今回は1.5兆円と3.5兆円。メッセージとしては、非常にはっきりしていると思う」
−−14日に大規模資金供給を行った理由は
「先行きの不確実性が高い状況のため、金融機関が多くの資金を持とうとした。短期金融市場はすべての経済活動の出発点であるため、中央銀行としては、金融市場の不安を解消するのが重要だと判断した」
−−大量の資金供給で「札割れ」が起きたにもかかわらず、再度、資金供給した
「短期金融市場で不安心理が広がると金融機関が資金を抱え込み、資金が市場で回っていかない。個々の金融機関が確保していてもよそでは確保できない。札割れがあっても金融市場の参加者には、資金が十分でないと感じるときもある。われわれとしては、札割れが起きても市場の安定確保に必要であれば資金供給を実行する」