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『日本国憲法論』
P115

徳川末期に国際社会の仲間入りしたわが国は,西洋文明に正面から接するに至り,西洋思想を受け入れる中で,天賦人権思想が導入され,明治初年には天賦人権論は半ば政府公認の説ともいえるものであった。が,やがて天賦人権論に依拠する自由民権運動が発生し政府に対抗するに至って,状況は一変し,政府は天賦人権論を排斥するようになり,結局,自由民権運動の終焉とともに,天賦人権論も歴史の表舞台から姿を消す。明治憲法は,このような背景の下に,基本的にとりわけドイツの憲法および憲法思想の影響を受けつつ,構想され,制定された。