「リーダーとは他人のために働く人間だ」 ボストン コンサルティング グループ バークナーCEOが語る人材育成の境地|世界に学ぶリーダーシップとグローバルマインドの育て方|ダイヤモンド・オンライン
――米フォーチュン誌の2011年「働きたい企業」ランキングでSASに次いで第2位に選ばれた。高い評価を得た理由をどう考えるか。
どのビジネスも今や「人のビジネス」になっている。人口の変化や人材の獲得競争という環境の中では、企業内でどういった人事制度を用意し、社員の個人的成長につながるどのような機会を与えるかが、企業にとって最も重要な課題になっている。
ランキングに実際どのような尺度が用いられたのかは知らないが、私自身は社員が成長できる環境を与えることが一番大切だと考えている。もちろん、成長にはいくつかの側面がある。学習することがたくさんあり、スキルを上達させ、仕事の内容だけでなく、リーダーシップや人間関係を学べるようなおもしろい職場を提供するのは、そのひとつだ。また、ポジティブな意味で仕事が挑戦的で、昇進してどんどん責任を担うようになるのも、また成長である。
BCGでは、社員が持続的に評価される制度を導入している。この評価制度は、一番若いアソシエイトやアシスタントから、コンサルタントやCEOまで同じであり、社員はみな評価のフィードバックを受けながら前進することが求められている。パートナーになっても同じだ。どこまで昇進しても、「もう自分は何でも知っている」という傲慢な状態にはならない。
「自分が最高だ」「もう自分には学ぶことはない」と考えるようになることほど、悲しいものはない。
――どのようなリーダーが今、求められていると考えるか。
リーダーとは、他人のために働く人間のことだ。人とどう接し、相手をどうやる気にさせ、動員し、そしてベストを尽くせるよう手助けできるかだ。目前の課題に対して、周りの人間が最良の仕事ができるように動ける人間、それも仕事だけでなく、人間的な成長をも促せる人間がリーダーであると考えている。つまり、自分のことではなく、周りの人間を気遣う人物だ。よく、カリスマ的なリーダーが英雄のように取り上げられるが、それは適切ではない。本人はヒーローであっても、周りの人間がいい状態でなければ何にもならない。