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【正論】慶応大学教授・阿川尚之 かくなるうえは「殿様」の復活を

 たまに会う民主党の政治家はごく普通の人物ばかりだ。国会議員に一度なってみたいと思っていたらなれちゃった。その程度の人が多い。

 皮肉にも中央政治の停滞は、逆に地方の自立を育みつつある。今回のような目の前の巨大な危機に直面して、いちいち中央の指示を仰いでいては間に合わない。その後の措置についても、中央が頼りにならなければ自分たちで判断せざるをえない。むろん国の力が必須なことはたくさんある。自衛隊の献身的な救援活動はその最たるものだ。しかし東京の政治家はおおむね役に立たなかった。市長、村長ら地元のリーダーが、難しい決断を次々に迫られ対処した。

 福沢諭吉は明治になって失われつつあった「士族の精気」の維持を説いた。一手段として、国権を中央の「政権」と地方の「治権」に分け、後者を旧士族に任せるよう提案している(『分権論』)。徳川幕藩体制の下2世紀半にわたり公の仕事を担ってきた士族の能力と精神を活用、地方の民の活性化と自立を目指したのである。

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