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ミャンマーの和解

スーチーは、すでに故人となっている夫が英国MI6の諜報部員で、夫婦で英国に住んだこともあり、英国の諜報機関とのつながりが深い。英MI6や米CIAは、スーチーに軍事政権を転覆させ、ミャンマー英米好みの国に転換させ、そこを拠点に北隣の中国を不安定化しようと考えていたのだろう。だが、金融危機によって、ドルの基軸性喪失や、米英の覇権低下の可能性が大きくなったことで、米英は中国に譲歩せざるを得なくなった。

 ミャンマーは南東側の国境がタイに隣接しているが、タイではタクシンの妹の政権ができた。タクシンは、それまでのタイの王室と軍部、官僚機構による軍産複合体系の権力機構を崩し、政治主導型の自立的、非米的な国家建設を試み、長い軍部・官僚との戦いにようやく勝ちつつある。以前のタイは、ミャンマーの反政府少数民族の勢力を自国内に住まわせ、米英によるミャンマー包囲網に協力してきた。しかしタクシンの影響力がタイに戻ってきたことで、タイは、むしろ中国主導のミャンマー安定化策に協力し、ミャンマー少数民族と政府との対立を終わらせていく役割を強める可能性が高くなっている。