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アメリカの大学生たちが必死に勉強する理由(その1) 全寮制が勉強を後押しする!

エール大学の学部はレジデンシャルカレッジ制を採用している。

 入学と同時に新入生は、ランダムに12ある(レジデンシャルカレッジ)寮のひとつに振り分けられる。寮が素晴らしい。寮ごとに図書館、ジム、ビリヤードやカードゲームのプレールーム、食堂、コモンルームと言われるラウンジ等が設置されている。ジムも最新式のマシンが並び、全ての場所で高速ワイヤレスのネット接続できる。食堂も寮ごとに味を競うため結構うまい。日本の食べログのようなサイト、“イエルプ"にエール大の各カレッジ(寮)の食堂の評価が学生によって格付けレビューが掲載されているほどだ。


 勉強のサポートも充実。各寮に教授陣やPhDの学生も住み込んでおり、いつでも勉強を教えてくれる。ハーバード大学小林亮介君は「PhDの人は本当に頭がいい。教えるのがうまいから、勉強が面白くなり、好きになるのです。彼はあこがれです。ああいう人に学部時代からじかに触れられるのが幸せです。あの人みたいになりたいからPhDに行きたいと今は思っています」と語る。勉強することの有力なロールモデルが身近かに常にいるのだ。


 雪や雨の日は学校の図書館に行かなくても寮の図書館でじっくり勉強できる。寮対抗の運動会等も定期的に企画され、寮に忠誠心を持たせる。エールでは卒業生が、母校を聞かれた場合、エール大と答えるのではなく、自分が暮らしたレジデンシャルカレッジの名前を挙げる人が多い。4年間その寮で学生と彼らの生活全般の面倒を見るマスター、ディーンと呼ばれる教授陣と共同生活を送る。彼らも勉強を教えてくれるし、就職や恋愛や友人関係の悩みを聞いてくれるメンター(後見人)でもある。社会勉強の先生とでもいおうか。この充実した体制の中で、エールの学生は勉強にボランティア活動に遊びにと、忙しい毎日を充実して過ごす。

 寮をカレッジと名付け、違う学校のように扱うエールほどではないが、ハーバードも全寮制で寮ごとに施設を充実させている。

 寮生活のいいところは多様な人生と触れられるところ。エールの古賀君は「アフリカの戦争孤児の同級生がいます。家族を失った悲しみの中、貧困生活を抜け出して夢をつかむためにエールに来ているやつです。僕が“今日はよく勉強したなあ"と図書館を後にしようと席を立つと彼が図書館が閉まるまで勉強しているのです。それを見て、何だか感動して涙が出るのです。自分は恵まれているのだからもっとがんばらないといけないと、さらにガッツが出ます。そして僕も彼が帰るまで勉強するのです」と自身の感動秘話を披露してくれた。