党内融和の面では、小沢グループから副大臣に、中塚一宏内閣府副大臣、黄川田徹総務副大臣ら5人を起用。今年1月の菅再改造内閣発足時の3人より増やした。党要職への起用も目立つ。元代表側近の鈴木克昌氏を筆頭副幹事長に、三井辨雄氏を政調会長代理に充てた。党の中核である幹事長室や政策調査会に元代表の意向が伝わりやすい環境を整えたとみられる。
小沢グループは、復興財源のための臨時増税や環太平洋経済連携協定(TPP)など主要政策に慎重な議員が多く、政府や党内の意見集約が難航する可能性が高まるためだ。グループの中核議員は「野田政権が増税をいつ打ち出すか、注視しなければいけない」と警戒を隠さない。
首相もこうした事情を察知し、党税調の会長に財政再建派である藤井裕久元財務相を起用。党税調事務局長には財政規律を重視する元財務政務官の古本伸一郎氏をつけた。消費税の引き上げに前向きな五十嵐文彦財務副大臣を留任させ、財務政務官に「身内」である野田グループの若手、三谷光男氏を送り込んだ。消費税増税に積極的な仙谷由人氏を政調会長代行に据えた。