中国の温家宝首相は遼寧省大連市で１４日開幕した「夏季ダボス・フォーラム（世界経済フォーラム＝本部ジュネーブ＝）主催」で演説。今年からの第１２次５カ年計画で「科学技術開発を最重視し、イノベーション（技術革新）主導の経済発展への転換に全力を挙げる」方針を表明した。
中国はかねて低労賃、資源多消費、輸出主導の従来型成長からの脱却をめざしており、このために「国内総生産（ＧＤＰ）比１・７５％だった技術開発費を、２・２％まで引き上げる」という。
温家宝首相はさらに国家の重点育成産業として環境・省エネ、新世代情報技術、バイオ、新エネルギー、新素材など７分野を挙げ、「核心（コア）技術開発に全力を集中し、世界の技術水準の最前線に立つことをめざす」と述べた。
環境・省エネ分野では「非化石燃料（石油・石炭など化石燃料以外の環境に優しい燃料）の比率を１１・４％まで引き上げると同時に、ＧＤＰ単位当たりのエネルギー消費量と二酸化炭素放出量をそれぞれ１６％、１７％減らす」という。
温首相はさらに「世界人口の２０％を占める中国の一人当たりＧＤＰが４千ドルを超えたことは、国内市場の潜在力の巨大さを物語っている」と強調。労働分配率向上や都市と農村の格差縮小、社会保障制度整備に努めることで、国内消費市場を拡大し、内需主導の成長への転換を進める方針を示した。
