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【次代への名言】温故知新編(39)

「君主というものは、己のためではなく、己を選んだ者たちの幸福のために選ばれるのだ」(クセノフォン『ソクラテスの思い出』)

 「すべて支配は、支配され、その対象となる者のためにこそ、最善を尽くすものなのである。それが公による支配であろうと、私による支配であろうと」

 ソクラテスは政治について語った。プラトンが理想とした「哲人政治」はそこに端を発するのだろう。が、彼自らが政治家として活動することはなかった。


 「神のお告げに従った」というのがそもそもの理由だったのだが、政治を説けども政界に身を投じないことを論敵から批判されたとき、ソクラテスは答えた。「わたしがたった一人で政治にたずさわるのと、有能な政治家をできるだけたくさんうみだすように−と骨を折るのとでは、どちらが大切なことだろうか」


 ソクラテスには「ぼくだけがほんとうの政治の仕事を実践しているのだ」という自負があった。

 「政治家やその志望者のなかには、政治というものは非常に習得が困難であるにもかかわらず、訓練もせず、勉強もせずに突然、勝手に政治の達人になれると考えている者がいる。まことに不思議である」