「汝(なんじ)自身を知れ」(デルフォイの神殿に刻まれていた格言)
紀元前430年前後、ソクラテスが40歳のころのことではないだろうか。彼の友人が聖域であるデルフォイの神託所を訪れ、勇を鼓して尋ねた。「ソクラテスよりも知恵のある者はいるか」
「そのような者はいない」。それが、巫女(みこ)の口から出た神のお告げだった。
「神は何を言おうとしているのか。私は、自分に知恵などないことをよく知っている。なのに、最高の知者? でも、神がうそをいうことなどありえない…」
ソクラテスは考えあぐねた末、「評判の知者のもとを訪ね、彼の方が私より知恵があることを見せてもらって、神託のまちがいを証明しよう」とひらめく。
そこでソクラテスはその知者のところに出かけた。問答をしてみると、「世間が、何より彼自身が、自分を知者だと思っているようだが、そうではない」ことがわかった。
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20111117#1321527583(もし真の知を得ようとするならば)
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20111028#1319805456
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20080610#1213056144