バンク・オブ・アメリカ(BOA)は2011年10−12月(第4四半期)決算が黒字決算となったことを受けて上昇。先週の米失業保険申請件数がほぼ4年ぶりの低水準に減少したことも相場を押し上げる材料となった。
ブルームバーグの集計によれば、S&P500種の構成企業で1月9日以降に決算を発表した35社のうち、22社の1株当たり利益が市場予想を上回った。同集計では、S&P500種全体の利益は今年、過去最高の1株当たり104.64ドルに上ると予想されている。
米国債:10年債下落、利回り今年最大の上げ−リスク選好高まる
失業保険申請件数が市場予想を下回ったことが背景。またスペインとフランスの国債入札が順調だったことから、逃避先としての需要も後退した。
米金融・債券市場=続落、順調な仏・スペイン国債入札受け逃避買い後退
フランスとスペインが国債入札を順調にこなしたことを受け、ユーロ圏の債務危機をめぐる懸念が一部和らぎ、安全資産としての米債への需要が後退した。
投資家の間では、欧州中央銀行(ECB)が供給した資金がユーロ圏のソブリン債購入に充てられ、資金調達をめぐる圧力が緩和されるとの期待が高まっている。
来週24─25日に開かれる2012年の初の米連邦公開市場委員会(FOMC)が注目されている。連邦準備理事会(FRB)は今回の会合から、翌日物金利の動向や初の利上げタイミングに関する当局者の見通しを公表する。
一部アナリストの間からは、経済成長が勢いづいていることが最近の指標によって示されているものの、住宅ローン担保証券(MBS)の買い入れに軸足を置く追加の量的緩和措置が発表される可能性があるとの声が聞かれる。
ミラー・タバクの首席経済ストラテジスト、アンドリュー・ウィルキンソン氏は、新たに発表される量的緩和措置の規模が、量的緩和第1弾(1兆2500億ドル)を幾分下回る1兆ドル近辺になると予想する。
同氏は、FRBがこのところ、住宅市場の問題が米景気回復全体の足かせになっているとの見解を強調していることに触れ、「安定的なインフレ率や失業率の低下など、状況が全般的に改善しているものの、FRBは不十分(な回復)ととらえているのであろう」と述べた。
そのうえで、追加量的緩和が実施されれば、米長期債の利回りをさらに押し下げイールドカーブをフラット化させることから、米債への支援材料になるとの見通しを示した。
NY外為市場=ユーロが対ドル・円で上昇、堅調なスペイン国債入札受け
ただアナリストは、ユーロの上昇は依然としてぜい弱で、ユーロ圏からネガティブなニュースが出れば、下落トレンドを再開するとみている。