欧州は「長期化するリセッション」入り、失業対策が焦点−ローチ氏
「危機への対応は全く無理からぬことだが、欧州ではリセッションとの闘いに議論が移ると思う」と述べ、「欧州は今リセッションに陥っている。かなり長期化するリセッションとなる公算が大きく、今後数年の回復は非常に限定的だろう」と指摘した。
HSBCホールディングスの首席グローバルエコノミスト、スティーブン・キング氏は、ドイツが主導している欧州の緊縮策が域内の景気回復の芽を摘む恐れがあるとの見方を示した。
キング氏は、メルケル独首相が進めているのは「緊縮財政連合をつくることであり、緊縮財政連合はスペインやイタリアなどの成長を実質的に押し下げるだろう」と述べ、「いずれはドイツにとっても悪影響を与える」と分析。ユーロ圏は財政連合を必要としている可能性があるが、「ある程度の成長も必要で、そうした景気問題への一定の取り組みがなければならない」と続けた。
ローチ氏は、ユーロ圏の債務危機は終わっておらず、先進国の政策当局には財政危機への対応で限られた選択肢しかないと語った。