知らぬ間に政治家を取り込んでしまう 「財務省のマインドコントロール」の実態|田中秀征 政権ウォッチ|ダイヤモンド・オンライン
どうしたことか。江田氏の出版とほぼ期を一にして、朝日新聞(4月5日)がなんと一面トップで、このマインドコントロールの実態を書いた。その見出しは「『脱官僚』の裏で握手」「政権交代前 財務省幹部と密会」だ。二面では「予算も人事も結局 財務省」という見出しになっている。要するに、財務省が鳩山由紀夫元首相、菅直人前首相、野田現首相を具体的に取り込んできた過程を明らかにした。何のことはない。民主党政権は発足前に霞ヶ関に屈服していたのだ。
この記事の反響が大きかったのか。朝日は翌日政府広報のような社説で火消しに努めたが、すでに遅かった。
5日付の朝日は「与野党を超え、有力議員に早くから官僚を張り付けて取り込んでいくのが財務省流だ」とも書いている。すなわち財務省のマインドコントロールはきわめて巧妙で計画的だ。だからそれを受けた人には自覚さえないのである。
だが、財務省は気が付かないが、この手法はもう通用しなくなっている。大震災を経た世論は今までと違って、本質を見抜く力を持っている。それどころか、財務省の意向を受けたパフォーマンスを重ねれば重ねるほど、逆に政権の支持率は低下するようになっている。それは、相次ぐメディアの世論調査が示すところだ。