では大局観とは何か?と言えば、
碁というのは、1手打つごとに、碁盤の中心が動いて行く。
その中心点はどこか?を判断する力である。
それを判断出来て、可能性の高い場所が判断出来れば、
これから戦いが起こるであろう場所に自分の石を先に置いておけば良いのだから、戦いが有利に進むことになる。
考えてみれば、碁も政治も似ているのである。
政治とは現実の世界である。碁と同じで勝手読みは通用しない。
刻一刻とうごいていく情勢のなかで、常に先を読んで、自分の理想を現実に近づけるべく努力をしていかなくてはならない。
事務局から「政治的な発言は控えて下さい」と言われているが、
政治的ではなく政治というものに対しての僕の考えを述べているだけだから、全く問題はないであろう。
なぜなら、政治とは、現実である。生活である。教育である。
小沢さんは「総理の仕事というのは、碁で言えば、布石を打つことだ。方針を決めて、人材
を配置して陣立てを整えればあとのヨセなどはみんな他の人がやってくれる。今はヨセまで
全部打っているから野党の党首の方がよほど激務だ」と笑って答えてくれた。
形勢が大差で良いときは、相手に逃げ道を残して置くべきである。
そうしないと白が必死に暴れまわるからである。
この兵法を逆利用したのが、韓信の「背水の陣」である。
それともうひとつ、碁は強くなればなるほど、石を取って勝つよりも、捨てて勝つほうが気持ちが良いと感じるものなのである。
その境地に至れば小沢さんの棋力も、もっと向上すると僕は思う。