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豪中銀の声明全文

政策理事会は本日の会合において、政策金利であるオフィシャル・キャッシュ・レートを3.50%に据え置くことを決定した。


世界経済の成長は2012年初めの数カ月に上向いて以降、鈍化した。現在の景気判断では、12年の世界経済成長率は平均程度になるとみられる。見通しへのリスクは依然として下方にある。


欧州の経済活動は縮小しており、米国の成長は小幅にとどまっている。中国の今年上半期の成長は引き続きかなり力強いが、過去数年間に見られた例外的なペースは大きく下回っている。最近の一部の経済指標はさらに弱く、短期的な成長についての不透明感は増している。


アジア地域全般では、中国の拡大ペースの減速と欧州の低迷によって成長が抑制されている。


その結果、主要天然資源の市場では調整が進んでいる。オーストラリアにとって重要な一部のコモディティー(商品)価格は最近数週間に急落した。


交易条件は1年前にピークを迎え、以降は大幅に悪化したものの、歴史的に見れば依然高水準にある。


金融市場は過去2カ月間、欧州の金融問題への対応が進展する兆しに前向きに反応しているが、さらなる進展に対する期待は大きい。


オーストラリアを含む格付けの高いソブリン債長期金利は、リスク投資意欲の低さを背景に異例に低い水準にとどまっている。しかしながら、資本市場は引き続き企業や格付けの高い銀行に資金を供給しており、オーストラリアの銀行は無担保ベースも含めて資金調達に関して問題がない。


過去2カ月間の株式市場は取引高が非常に低水準ではあるが、概ね上昇している。


今回の会合で利用できた大半の経済指標は、オーストラリアの成長率がトレンドに近く、資源セクターの設備投資の非常に大幅な増加にけん引されたことを示唆している。


今年上半期の消費の伸びもかなり堅調だったが、一時的な力強さも反映されている。雇用が減少している産業もあるが、労働市場関連の指標は雇用の緩やかな伸びを示しており、失業率はこれまでのところ低水準にとどまっている。


12年6月までの1年間の基調インフレ率は2%付近で、総合インフレ率はそれ以下と、インフレは低水準にとどまっている。現四半期には、炭素税導入が消費者物価に影響を与え始めており、影響は今後数四半期続くだろう。


インフレ率は今後1─2年間、目標に沿って推移するというのが豪準備銀行のインフレ判断だ。だが、低インフレ率の維持には、豪ドル相場上昇の影響が薄れる中で、引き続き国内コストの伸びが抑制される必要がある。


中銀のこれまでの一連の決定により、借り入れ金利は中期的な平均を若干下回る水準にある。金融政策変更の影響は引き続き経済に浸透しつつあるところだが、今年の住宅価格は若干上向き、企業向けの与信は増加している。


豪ドル相場は過去1、2カ月間に下落したものの、輸出価格低下や世界経済見通しの悪化から予想されていたよりも高い水準にとどまっている。


理事会は本日の会合で、インフレが目標と一致する見通しで、成長はトレンドに近いが、海外の見通しが数カ月前より弱まっていることから、金融政策スタンスは引き続き適切と判断した。